会社員を辞めてフリーランスになったけど、いままでに比べてお金の負担はどのぐらい増えるの?
この記事ではそんな不安を解消します。
お金の負担が増えるものは大きく2つ、“社会保険“と“税金“になります。
この記事では”社会保険”について「何」が「どのぐらい」負担が増えるのかを解説します。
社会保険って具体的に何?
まずは”社会保険”とは何か?について明確にします。
社会保険とは、誰しも人生の途上で遭遇する様々な危険(傷病・労働災害・退職や失業による無収入〜これらを「保険事故」、「リスク」という。)に備えて、人々が集まって集団(保険集団)をつくり、あらかじめお金(保険料)を出し合い、それらの保険事故にあった人に必要なお金やサービスを支給する仕組みである。
引用:平成24年度 厚生労働白書
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/12/dl/1-03.pdf
ここでいう「リスク」に対する備えは、現在の日本では以下4つがあります。
① 医療保険:病気・けがへの備え
② 年金保険:年をとったときや障害をおったときなどに年金を支給
③ 労働保険(労災保険・雇用保険):けがや失業への備え
④ 介護保険:加齢に伴い介護が必要になったときの備え
この4つはいずれも法律で加入が義務づけられています。
会社員とフリーランスの社会保険の負担の違いは?
わかりやすく表にしました。
項目 | 会社員 | フリーランス |
---|---|---|
医療保険 | 事業主と被保険者で折半 | 全額自己負担 |
年金保険 | 厚生年金に沿った保険料 | 国民年金に沿った保険料 |
労働保険 | 事業主と被保険者で折半 | 加入できない |
介護保険 | 事業主と被保険者で折半 | 全額自己負担 |
ポイントは以下3つです。
- 医療保険、介護保険
会社員:事業主と被保険者(会社員)で折半
フリーランス:全額自己負担 - 年金保険
それぞれで保険料の算出方法が異なる - 労働保険
フリーランスは事業主に雇われていないので加入することができない
フリーランスの社会保険はどのぐらい負担が増えるのか?
では具体的にどのぐらい負担が増えるのか?
フリーランスが全額自己負担する3つの保険について解説します。
医療保険
会社員を辞めてフリーランスになった場合、一般的に”国民健康保険”に加入します。
この国民健康保険は、前年度の収入によって保険料が決められます。
なので、前年度すごく稼いだ方は注意が必要!
各市区町村のホームページなどでシミュレーションができますので参考にしてください。
市区町村によっては、2倍以上に負担額が増える場合もあります。
また”国民健康保険”には扶養という概念がないため、家庭持ちの方はさらに負担額が増えてしまいます。
なお、医療保険は減額できる場合もありますので、その方法は別記事で紹介します。
年金保険
会社員とフリーランスは以下違いがあります。
年金の種類 | 保険料 | |
---|---|---|
会社員 | 厚生年金 | 標準報酬※×18.3%を事業主と被保険者で折半 |
フリーランス | 国民年金 | 一律16,340円(平成30年度の場合) |
※標準報酬は以下ページをご参照ください。
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/ryogaku/ryogakuhyo/20200825.files/1.pdf
例)直近3ヶ月の平均給与額が255,000円の場合
標準報酬の等級は15、月額は220,000円になります。
よって保険料は以下の通りです。
220,000円 × 18.3% × 1/2 = 20,130円
年金保険の負担はフリーランスの方が安くなる場合があります。
ただし、納付している保険料は会社員の方が多いので、将来給付される年金受給額は会社員の方が多くなります。
介護保険(40歳以上が対象)
世帯に40歳以上の方がいない場合、ここは読み飛ばしてもらって結構です。
40歳以上65歳未満の世帯全員分の介護保険料を国民健康保険と一緒に納付しなければなりません。
“医療保険”と同様に各市区町村のホームページ等で確認してください。
こちらも市区町村によっては2倍以上に負担額が増える可能性があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?まとめると以下の通りとなります。
現在の日本の社会保険は「医療保険」・「年金保険」・「労働保険」・「介護保険」の4つ。
負担で分類すると以下の通りになります。
負担が減るもの | 労働保険(フリーランスは加入できない) |
---|---|
負担が減るかもしれないもの | 年金保険(ただし将来の年金受給額は減額) |
負担が増えるもの | 医療保険・介護保険 |
医療保険と介護保険の保険料は市区町村によって異なり、場所によっては負担額が2倍以上に増えるところもあります。
保険料支払いの通知書を見てびっくりしないよう、事前に保険料を調べておくことをおすすめします。
この記事があなたの漠然とした不安に対して解決につながれば幸いです。